【情報商材被害について】AZ MORE国際法律事務所パートナー弁護士松尾裕介先生に伺いました。

情報商材詐欺について、詐欺被害防止に注力されている松尾裕介先生にお話を伺いました。

・なぜ情報商材詐欺が増えているのか。
・被害の類型、被害拡大の手口
・相談先として消費者センター、警察、弁護士どれがふさわしいか
・弁護士に依頼するときのチェックポイント
・実際の解決事例
・返金される可能性、返金までの時間
・被害に遭った時の対応、遭わないための心構え

など、みなさんの気になる疑問点について丁寧に解説していただきました。
この記事をご一読いただき、被害の防止と解決にお役に立てれば幸いです。

インタビュー担当:玉上 信明(たまがみ のぶあき)
(社会保険労務士・健康経営エキスパートアドバイザー)

AZ MORE国際法律事務所
パートナー弁護 松尾裕介

所属弁護士会第二東京弁護士会
登録番号38859
出身慶應義塾大学経済学部卒業
駿河台大学法科大学院法務研究科卒業
復旦大学(中国上海) 留学(法学部進修生課程修了)
経歴弁護士登録後、2010年から6年間中国上海に駐在、日本法及び中国法に対する豊富な知識経験。
2017年6月AZ MORE国際法律事務所開設
取り扱い分野消費者問題については、高額のSEO対策詐欺、情報商材詐欺(物販、仮想通貨、FX、株などの投資、起業、セミナーなど)、投資詐欺、コンサルティング詐欺、高額塾、高額コンサルセミナー詐欺など、

このほか、日本法及び中国法に係る企業法務全般、知的財産法、M&A、コンプライアンス、PL法、労働法など

講演実績2018年12月TBSテレビ番組
「ジョブチューン」の「悪徳商法・詐欺Gメン×悪徳商法・詐欺業者」コーナーに出演
2021年3月19日ABEMA TV
「報道リアリティーショーABEMA Prime」の「MC 西村博之/オンラインサロンと詐欺リスク」コーナーに生出演
事務所HPAZ MORE国際法律事務所

 

1.最近の詐欺の動向について

はじめに最近の詐欺の動向について教えてください。
弁護士
詐欺一般を含めて振り込め詐欺、投資詐欺などが多いようです。

さらに、詐欺の手口は時代、流行に合わせて巧妙化し、また、多様化、国際化しているともいえます。仮想通貨、オンラインサロン、SNS など新しい技術やプラットフォームが利用されているのも特徴です。

被害件数や被害額が大きくなるのは、大量ダイレクトメール、SNSなどを広範に活用して「儲かります」など誇大広告で宣伝し、興味関心を引くからでしょう。

2.情報商材詐欺の類型

情報商材詐欺については、どのような類型が目立つのでしょうか。
弁護士
情報商材の高額詐欺被害には、主に3つの類型があると考えられます。

①投資詐欺
株、 FX、仮想通貨などです。

②副業詐欺
物販コンサルティングやアフィリエイトなどです。

③ギャンブル
競馬、競艇などで「的中率が高いですよ」という類のものです。

3.情報商材の手口についての特徴は?

これらの手口についてどんな特徴があるでしょうか。
弁護士

SNS、ダイレクトメール、電話などで勧誘するのですが、いわゆる「フロントエンド」「バックエンド」を巧妙に使っています。

フロントエンドでは無償とか低額などとしておき、高額なバックエンドに誘導していくのです。

「あなただけの特別プラン、プライベートプランがありますよ。」といった誘い文句で人間心理を巧妙についてきます。

手口としては、フロントエンドでは全体のほんの一部の情報だけを開示し、「人数限定、期間限定」などとしてバックエンド商材購入に誘い込み、今だけなら大幅値引きといって早急な判断を迫るのです

フロントエンドとバックエンドとは
フロントエンドとバックエンドとはマーケティング用語です。

フロントエンド:
最初に見込み客に提供する「商品・サービス」。新規顧客獲得,顧客リストの作成のために用いられるものです。

バックエンド:
フロントエンド商品提供後に販売する「商品・サービス」。利益確保のための本命の商品と考えておけば良いでしょう。

4.最近の情報商材の特徴、新型コロナ不況の影響など

最近の特徴などはあるでしょうか。新型コロナ不況などの影響はいかがでしょうか。
弁護士
皆さんパソコンを使われますし、景気の見通しが悪いといったことも影響しているのかもしれません。

5.情報商材詐欺被害に遭いやすい被害者の特徴とは?

情報商材詐欺被害者の特徴などはないでしょうか。年齢とか男女とか。
弁護士
年齢、性別などに関係なく満遍なく被害に遭っていると思います。

6.情報商材詐欺被害に遭わないためには?

情報商材詐欺被害に遭わないためにはどうすればよいでしょうか?
弁護士
とにかく、ご家族や第三者に相談されることです。

ただ、被害に遭ったご本人は、そのことを負い目に感じてしまい、ご家族や第三者にもなかなか相談できないといった状況もあります。ご家族や第三者に相談されれば、冷静に判断でき、被害を防げたケースも少なくないと思います。

7.情報商材詐欺被害拡大の手口

情報商材詐欺被害はどのような手口で拡大していくのでしょうか。
弁護士
入口で顧客情報を収集し、その顧客リストが他の業者に転売されるなどして、多数の業者からDMなどが送られてきます。

人によっては、一つの情報商材だけでなく10社以上から数百万円を超える被害に遭う方もいらっしゃいます。特定商取引法で規制されている内容をそのままSNS などで使っているのです。

特定商取引法とは
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。

訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。

詳細は消費者庁「特定商取引法とは」を参照してください。

8.消費者センターと弁護士の対応の違い

情報商材等の被害に遭ったら、まず消費者センターに相談したほうがいいということを耳にします。弁護士さんに相談するのと消費者センターに相談する明確な違いなどはありますでしょうか。
弁護士
少額の被害であれば、まずは消費者センターに相談するのをお薦めしています。

ただ、消費者センターから連絡があっても、裁判など法的措置を取られるわけではないということで業者側に無視されるといったケースもあると聞いています。

ある程度の被害額になっている場合には、やはり弁護士への相談をお勧めします。

9.情報商材に遭った際に警察に相談することについて

購入者が情報商材被害に遭い、警察に相談して被害届を出すのはいかがでしょうか?
弁護士
刑法上の詐欺罪に該当するかどうかは微妙なところです。また、一般に詐欺罪の立証が難しく、民事不介入の問題もあり、警察としても被害届を容易には受理してくれないといった事情があります。

10.弁護士に依頼するにはどうすればいいのか?

結局は弁護士への依頼が本筋と思いますが、消費者詐欺問題に詳しい弁護士さんに相談したらいいのでしょうか?
弁護士
この問題については、消費者関係法、金融法やITの知識を要するなど専門性が高い分野ですので、消費者詐欺問題に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。

11.弁護士に依頼した場合、着手金はどうなるのか?

弁護士への依頼にあたっての着手金や報酬はどうなるのでしょう。
弁護士
このような詐欺事案については、解決についての不確実性がどうしても生じてしまうので、それも考慮して対応しています。

私は着手金と成功報酬の体系を取っていますが、被害の状況やご相談者の状況などを考慮して、例えば、着手金を若干低めに設定するとか、状況によっては解決時の成功報酬だけにするとか、案件により柔軟に対応しています。

12.解決にかかる時間

販売業者がもし実際に返金に応じてくれる場合、だいたいどのくらいの時間で被害金を取り戻せるのでしょうか?
弁護士
早ければ1、2ヶ月で回収できることもあります。

13.情報商材被害の解決事例

貴事務所での情報商材被害の解決事例など参考になる事項を教えてください。
弁護士
例えば次の2つが代表的なものなので、ご紹介します。

①物販コンサルティング詐欺
数年にわたり1000万円以上もの被害に遭った事例です。
「必ず稼げる!」などのうたい文句で、数百万円以上する情報商材及び有料サポートの物販コンサルティングの取引が行われたものですが、実際には全くといっていいほど成果が出ず、詐欺ではないかと相談を受けました。

本事案について特定商取引法、消費者契約法、詐欺取消、錯誤無効の有無など主張可能な法的主張を精査して、相手方業者と粘り強く交渉し、数百万円以上回収することができました。

②情報商材詐欺
20社以上の業者との間の情報商材取引です。最終的に、7割以上の会社から計150万円以上回収することができました。相談者は、高齢者(80代)でした。

「必ず稼げる!」などのうたい文句で、20社以上の業者との間で200万円ほど情報商材及びそのコンサルティングの取引が行われましたが、全くといっていいほど成果が出ず、詐欺ではないかと相談を受けたものです。

当初は軽い気持ちでメールすると、次々と多数の広告メールが届き、ご本人も一体どこの業者と契約を結んでいるのか全く把握できていないご様子でした。

ご家族の協力も得て、丹念に情報を整理して、弁護士レターを各社に送付し、最終的に7割以上の業者から150万円ほど回収することができました。

 

14.最後に情報商材を購入して被害に遭われた方へ一言

最後に情報商材を購入して被害に遭われた方へ一言お願いします。
弁護士
「お金は戻ってこない」と当初より返金を諦めてしまう方は少なくないのですが、返金回収できるケースも少なくありません。まずは、この分野の問題に詳しい弁護士に早くご相談されることをお勧めいたします。

なお、もう1点注意しておいていただきたいことがあります。
相手の業者がよく行うのですが「1割返金するので和解して欲しい。」等と言って、ごくわずかな返金額で和解合意を持ちかけられることがあります。

一旦和解をしてしまうと、和解契約を覆すのはとても大変であり、回収が非常に困難になってしまいます。
業者の言葉を鵜吞みにせず、ごくわずかな返金額で和解契約を締結しないよう特に注意していただきたいと思います。

相手もある種プロですので、被害に遭わないための対策というのはなかなか難しいのですが、「必ず儲かる」などの誇大広告には疑ってかかる姿勢が特に大事になります。
「必ず儲かる」「月収10万円以上保証」「利益が月20%」そんなことは通常の経済状況ではありえないことです。

執筆者情報

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    この記事のインタビュー担当者:玉上 信明(たまがみ のぶあき)・社会保険労務士(東京都社会保険労務士会所属)・登録番号:第27821695号・ 健康経営エキスパートアドバイザー(東京商工会議所認定資格)・ 三井住友信託銀行にて法務・コンプライアンス関係の企画・研修に従事。 2015年10月同社を65歳定年退職後、社会保険労務士として開業

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